VOL.4 Mastercamでギブソンギターを伝説に残す!  
     



本社所在地
テネシー州・ナッシュビル




  Mastercamとギブソンギターとの関係

ギブソンギター社は、昔からの手作業の手法と高度な製造技術とを調和させて独特な品質の楽器を開発・製造しています。ギブソン社製ギターは、業界で最高の楽器としての地位を築きました。
   
  チャレンジ
  ギブソンギターの創設者は、高い精度で失敗が無く繰返し演算を 機械加工するメソッドを必要としました。
   
  ソリューション
  Mastercam ルーター
   
  ベネフィット
  ●MastercamのCNCルーターを用いて、刃物段取りと効率性を向上させることができました。
彼らはミスの無い一貫性ある製品を製造できました。
Mastercamは正確なプログラミングで、なおかつとてもフレキシブルでした。
   
  プロジェクト
  何年にも亘って、エリック・クラプトン、B.Bキング、チェット・アトキンス、チャック・ベリーそしてレス・ポールといった多くの偉大なギタリストが彼らの楽器を奏で、ギブソンギターは伝説的な地位を築きました。しかし、その後の新しく製造する楽器もまた、この地位にふさわしい存在であらねばなりません。そのため、キブソンは昔ながらの手細工の手法と高度な製造技術とを調和させ、ユニークで高品質の楽器を開発・製造し続けています。
●ギブソンの歴史
1856年ニューヨークのシャトーで生まれた、オービル・ギブソン氏はミシガン州、カラマズーで靴屋の店員として働いていましたが、木工細工が好きで、音楽にも情熱を傾けていたことから、ギターやマンドリンのデザインに興味を持っていました。自分でリサーチした結果、最も振動する特長とは、硬くて、曲げたり伸ばしたりしていない木製だとわかりました。バイオリン製作技術を応用しながら、新しい技術を考案し、彼の新しいマンドリンとギターは、フラットの代わりに、トップとバックを削り出してそれを1894年に世に送り出し、即座に大成功を収めました。
注文が製作に追いつかなくなり、オービル氏はついに楽器製作の会社を立ち上げるよう説得され、1902年10月11日にギブソン・マンドリンギター社の創業が始まりました。彼は日々の事業経営には興味が無かったので、経営者としてではなくコンサルタントとしてたずさわりました。
その後の15年はマンドリン・オーケストラの最盛期で、ギブソンはすぐに最高の楽器としての地位を確立しました。カラマズー(地名)は、西ミシガンの“家具地帯”に位置していたので、最高の木工機械が手に入りやすく、また並外れた素晴らしい才能の木工職人にも不自由しなかったのです。
手作業の手法と製造の技術で多くの高品質な楽器を製作できると、オービル氏は信じていました。そこでギブソン社で、今日にまで続く2つの基本的な方針を打ち出しました。; それは、高性能を要求する危険な繰返し操作のために機械を購入することと、ヒューマンタッチやミュージシャンの耳が必要とされているときにはスキルの高いスタッフを雇用することです。人間と機械の、この独特のコンビネーションが、ギター奏者の間でギブソン社が伝説になるほど著名になった主な理由のひとつとなっています。

●楽器製作
ギブソン社は、CAD/CAMソフトの利用を通じて高品質、製造量増加をキープしています。ギブソンギター会社の製造技術者であるケニー・タッカー氏は、「我々はナッシュビルの工場に、6台のCNC木工ルーターがあります。この機械でたくさんの楽器のボディー部品を製造します。」ルーターが正確に操作できるように、ギブソンはMastercamCAD/CAMを使って、それらのプログラムを行います。
「私は金属切削の業界に25年間従事し、そこでMastercamになれ親しんできました。CNCルーターとの効率化や刃物段取りの向上を図るため、ギブソンは私を雇ったのです。約3年前にこの会社に来ましたが、そのときから私は、当時ギブソンが持っていたソフトウェアよりもいいものに替えるようにプッシュしてきました。また、楽器の部品の3Dライブラリーを充実させています。パーツをスキャンするためにCNCルーターの1台にスキャナーをとりつけてあります。そして、3Dモデルを作成するためMastercamにこの情報をダウンロードします。この3Dスキャニングは楽器の多くのユニークな形の曲面をプログラムするのに大変役立つのです。」とタッカー氏は述べます。
タッカー氏は製造の責任者であったので、自分の満足のいくソフトウェアがほしかったのです。そのうえ、彼は以前、他のソフトウェアパッケージで気づいた、何点かの技術的な制限が好きではありませんでした。
ケニーはこうも述べています。「Mastercamは精密なプログラミングに対し、本当にたくさんの機能と柔軟性を与えてくれました。 このソフトウェアで、ある特定の寸法でのあるものを移動させたい時、まさに私の望む所へと、それを移動させてくれます。例えば、レスポール・エレクトロニックギターのトップの形状は複雑にカーブしていて、その形自体に歴史があるくらいです。ハンドメイドのギターをスキャンし、そのスキャンをMastercamに取り入れました。ネックのピッチをきっちりとするために、図面を作りたかったのです。もし2°移動させたいなら、ポイントを選んで、そこで2°回転させると、まさに私の望むところにそれが動くのです。このソフトウェアで、こうであってほしいなぁと思うギターの部品を得るために5-6千分の1インチの単位でものを移動させることができます。CNC加工機から出てきたら、部品は完璧な状態でした。パーツは、エラーのために変更する必要はほとんどなく、首尾一貫して出てきます。」
ルーターは±1000分の1インチかそれ以下の公差が維持できます。「もちろん、木製を扱うことは、ばらつきがあることを考慮せねばなりませんが、ルーターからの製品をできるだけ緻密に製作すると、あとは全てが簡単になります。」と彼は言います。彼らのCNCルーターの1台は、ノースウッド社製の4つのヘッドと2つの5x10フィートのテーブルの付いた新品の機械です。
ギブソンのクラシック・レスポール・カーブトップ・エレキギターと同じ外形輪郭を複製するため、そのクラシックのボディーを取り外し、スキャンし、彼らの新しいCNCルーターでサーフェイスを複製するのです。そして、彼らはそれらのスキャンされたポイントを取り出し、サーフェイスの画像の三次元化を行いました。CNCルーター上で6インチのボール・ノーズ・エンドミルを使って、レスポールのトップを彫り、研磨機を使って手で仕上げたとの同じくらい緻密に製作しました。
「Mastercamのおかげで、私たちは出来るだけ緻密にギタートップをカーブさせることが出来ます。それからそれを手で(紙やすりを使って)磨く人や職人であるアーティストに渡します。今やギターは以前と比べて変化は少なく、職人はより少ない努力でこの段階での匠の技を施すことが出来ます。

金属切削産業における製品より、ギター製作は大変やりがいあると感じます」と、タッカー氏は言います。「楽器の曲線、輪郭、芸術的な特徴などに配慮しながら、楽器製作していくことは、本当にやりがいある仕事です。」
「ギブソンのギターは、部品一つ一つにそれ自身の歴史伝統があるのです。つまり、自分で微妙に変更してしまうことは許されません。というのは、その楽器を弾くアーティストにとって、そのわずかな変化でも直ちに認識してしまうからです。ギターのカーブや感触は維持せねばなりません、なぜなら、演奏者はギター持ち上げ、それを見て何かが変わったとすぐに感じるのです。」とタッカー氏は説明しました。
Mastercamはソリッドボディ、くぼんだ形状、アコースティックギターやマンドリンにも使用されています。また、楽器の製造に使用されている取付け具やツーリングの開発にも使われています。
タッカー氏が頻繁に使用しているソフトウェアの機能は、Mastercamのべリファイ機能です。あるパーツを作成した後、問題がないかどうかを確認するために、彼はリアルタイムにコンピュータでプログラムさせるのです。プログラムしたものがその通りに出来るかを確かめることが可能です。もしそうでないなら、木材をカットし始める前に調整することができるのです。
ルーターはまた、フレットボード(指板)を飾るデリケートなアワビや真珠の象嵌材料をカットするのに使われます。「象嵌細工するフレッドボードのポケットをプログラムするのと、それらのポケットに入れる象嵌そのものをカットするプログラムにMastercamを使っています。」
真珠とポケットの間は、簡単に5千分の1インチ以下の公差におさえられます。大きすぎるポケットでは、真珠の美しさが失われ、フレットボードが台無しとなります。「本当にぴったりとはまらないといけないのです。何度も言うようですが、それは、見た目もその奏でる音も素晴らしいというギブソンの歴史伝統の一部である美学なのですから。」タッカー氏はMastercamを使ってデザインし、社内の金属加工現場でギター製作の特別な機械を組み立てています。現場主任のジョージ・マシュース氏もMastercamを使って4040 Fadal マシンセンターとCNCルーターをプログラムさせ、取付け具と試作部品を製造しています。

今日の楽器市場でのメジャープレーヤーとして、ギブソン社は品質の高い手製の楽器を製造する伝統を保持しなければなりませんが、Mastercamで競合できる価格で生産することが可能なのです。競合ブランド社のなかには、海外で生産しているものもありますが、ギブソンのような最も人気あるメーカーはアメリカで生産されています。今日、ギブソンはEpiphone, Valley Arts, Kramer, Steinberger, やTobiasといったギターブランドとともに、Baldwinピアノ、Slingerlandドラムなども製造しています。また楽器のアンプも製造しています。