要素間の誤差を確認
図形を生成するために使用するエンジンはCADソフトごとに違いますから、ソフトによって作成されるモデルが変わることがあります。精度を要する案件などで、他のソフトからインポートした形状とMastercam上のモデルの差を確認しなければならない場合があります。Mastercam 2025には、点、曲線、サーフェイス、ボディおよびフェイスの任意の組み合わせを比較できる誤差解析が追加されています。
新しい誤差アナライズ機能は、種類の異なる要素間の差異を解析し、色分けされた「ヒートマップ」をグラフィック画面上の図形に適用して誤差を表示します。
この新機能は、ホームタブのアナライズグループにあります。
リボンのドロップダウン メニューには、5つの比較要素の組み合わせが表示されます。
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サーフェイスとサーフェイス
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曲線とサーフェイス
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点とサーフェイス
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曲線と曲線
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点と曲線
オプションを選択し、メッセージに従って機能パネルを開きます。
グラフィック画面に表示する結果は、機能パネルのオプションを操作することでカスタマイズできます。
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グラフィック画面に表示される点の密度を変更するには、点のグリッド(サーフェイスとサーフェイスでサーフェイス、ボディ、フェイスを比較する場合)か点のライン(曲線とサーフェイス、曲線と曲線)の値を変更します。
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指定の公差未満の誤差を無視するように選択します。
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特定の範囲の誤差を表示/非表示にします。(正と負のいずれかの誤差のみを表示したい場合に便利)
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誤差範囲を表す色を反転します。
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アナライズする要素を変更するには、パネルの誤差タイプドロップダウンから別のメニューを選択し、メッセージに従って作業します。機能を開き直す必要はありません。
Mastercamは、パネル下部の誤差の凡例に従って、基準要素とターゲット要素の誤差範囲を表示します。正の最大誤差と負の最大誤差は、次の図のように大きな青い点と赤い点で表現されます。機能によって表示される点にカーソルを合わせると、その点の誤差の値が表示されます。
この機能では誤差の距離を面の法線方向に計算します。曲線に使用した場合は、基準要素からターゲット要素まで表示される法線ベクトルが誤差の程度を表現します。ベクトルが長いほど誤差は大きくなります。
実際の使い方
図形を既存の曲線、またはサーフェイスと合致させる必要がある場合は、作図時に面最大公差を細かくすることでターゲットに合わせるという対応方法が考えられますが、公差を細かくできない場合には、誤差の結果を利用して近く一致させることができます。最大誤差の位置が特定できたら、その部分に曲線や点を追加作成して対応できます。例えば、一連の曲線でロフト面を作成するのであれば、既存のサーフェイスの誤差が大きい部分に一定条件曲線を作成することで、誤差を最小限に抑えることもできます。許容できる合致が得られるまでに、作図と誤差アナライズを何度か繰り返さなければならない場合があります。