Y軸旋削

Mastercam 2025では、Mill-TurnがY軸旋削に対応しました。カスタムねじ切りとB軸輪郭旋削以外のすべての旋削ツールパスが、Y軸機能をサポートしています。

この画像は、Y軸のMill-Turnサポートを示しています。

Y軸旋削への対応は、工具定義から始まります。Y軸旋削に使用できる工具は、工具定義で確認できます。Y軸工具を識別するための新たなプロパティがホルダー定義に追加されています。

工具ホルダーの新しいY軸オプション。

  • 新規工具を作成する際にY軸オプションを選択した後は、他の工具と同じように工具とアセンブリを定義していきます。Y軸工具に関係する設定は、このオプションだけです。
  • 既存の工具定義を編集して、このオプションを選択することはできません。Y軸オプションは、新規工具の作成中にのみ使用できます。
  • Y軸旋削は3D工具のみをサポートしています。ワイヤーフレームやパラメトリックの工具定義では、Y軸工具は作成できません。

Y軸工具の作成時には、従来の工具ではあまり使用しない工具アセンブリ オプションが重要になります。

  • 基本的に、セットアップページにあるオフセット機能を使用して、切削平面を正しい位置に調整する必要があります。

    チップの切削平面をオフセットしています。

  • 境界ページでは、チップ境界がホルダー形状で隠れず、チップ境界全体が見えるように境界を調整します。

    工具アセンブリ境界を調整しています。

Y軸旋削操作を作成するには、旋削操作を選択してからY軸工具を選択します。Y軸工具には、インタフェース上で独特のアイコンが表示されます。

Y軸工具を識別するアイコン。

Mastercamは、適切な工具姿勢と主軸原点でツールパスが作成できるように、一連の平面を自動的に作成します。また、B軸は90度の位置に固定されます(Y軸旋削ではこうする必要があるため)。

Y軸工具に作成された新しい平面。

Y軸工具を選択すると、XZ座標ではなくYZ座標を表示するようにインタフェースが変更されます。

Xの代わりにYというラベルの付いたフィールド。

工具の姿勢を設定するには、工具角度ダイアログボックスを使用します。従来のX軸工具では基本的に0度か180度の姿勢しか使用しませんが、Y軸工具ではその他の角度フィールドをよく使用します。工作機械で対応できる任意の角度位置に工具を向けることができます。

工具姿勢のA軸角度を設定しています。

Y軸の工具姿勢に対応するために、リファレンス点と参照位置の機能が強化されています。リファレンス点で、XとZだけでなく、3軸すべての座標位置を指定できるようになりました。

リファレンス点の座標を設定しています。

また、アプローチと退避の方法も強化されており、「Yから」が追加されています。

Y軸のアプローチ方法を選択しています。

Y軸旋削の機能を持つ工作機械の中には、Y軸旋削中のCSSに対応していないものがあります。機械がY軸旋削のCSSに対応していない場合は、直径が変化するごとにMastercamが主軸回転速度を段階的に上げてCSSに近似します。

Y軸旋削は、適切なコンポーネントと設定が含まれているmachineファイルのみで使用できます。Mastercam 2025で作成されていないMill-Turnのmachineファイルをご使用の場合は、担当のMastercam販売店での対応が必要となります。ご使用のmachineファイルに適切な軸コンポーネントが含まれている場合であっても、そのmachineファイルをMastercam 2025に移行するだけではサポートされません。Mastercamとともにインストールされる汎用的なFanucのmachineファイルでは、必要なサポートが有効になっています。

メモ:

Y軸旋削は、Mill-Turnのみでサポートされており、Latheは対応していません。