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金属3Dプリンターとは
金属3Dプリンターとは、樹脂等を材料とした3Dプリンターと同様に、3次元CADデータから、積層をしながら3D製品を造形する3Dプリンターです。
文字通り、材料は「金属」になります。
主な金属3Dプリンターの方式
・パウダーベッドフュージョン方式
材料:金属粉末
・DED方式
材料:金属ワイヤー、金属粉末
・ADAM方式
材料:特殊樹脂に金属を混ぜたフィラメント
積層可能な材質
・ステンレス鋼
316L、08L、17-4P(630)
・工具鋼
SKD6
・ニッケル合金
インコネル718、インコネル625、インバー
・軟鋼
ER70S
・チタン合金
Ti-6AL-4V
・銅合金・アルミ
※上記以外にもメーカー、機種により使用できる材料はあります。
パウダーベッドフュージョン方式
金属3Dプリンターの中でもっとも多い方式で、金属粉末を敷きつめたベッド上にレーザーを照射しながら、1層ずつ積層し製品を造形していく方式。
特徴としては、微細な形状の製品の造形に向いている。
機械の導入、ランニングコスト共に高額になる傾向と造形時間がかかる、取り扱いが難しいなどの課題もある。
DED方式
ワイヤーDED方式とパウダーDED方式の2種類あり、ノズルから射出される金属材料にアーク放電やレーザー光を照射し、材料を溶かしながら造形していく方式。
特徴としては、ワイヤーDED方式は、中型から大型製品の造形に向いており、微細な造形には向かない。
機械の導入、ランニングコスト共に安く、造形スピードが非常に速い。
パウダーDED方式のプリンターは、微細な製品加工も可能で、製品補修やクラッディング、コーティングに威力を発揮する。
ADAM方式
特殊な樹脂に金属を練りこんだフィラメント材料を使用し、造形の仕組みとしては、FDMプリンターと同様。
後処理で、脱脂、焼結のプロセスが必要となり、最終的に、金属だけが残って製品を形成する。
特徴としては、小型の製品に向いている。
機械の導入、ランニング共に比較的安い方であるが、脱脂、焼結の段階で製品が収縮するといった特徴があり、高精度製品の歩留まりに課題もある。
ソフトウェア
3Dプリンターには、スライサーと呼ばれる、専用、汎用のソフトウエアが付属しており、CADで作成した3Dモデルを
スライサーにインポートし、このソフトウエアで造形条件を設定し造形をします。
また、弊社では、通常のスライサーとは違う「ADDITIVE MASTER LUNA」という、金属積層技術に向けた
全く新しいCAMソフトを取扱っております。
3次元CAD/CAMソフトウエア「Mastercam」にアドオンすることで、2次加工が必須の金属積層製品に
シームレスな連携を可能にします。
積層パスはもちろん、積層後のワークを機上計測し、理論値と実際値の差分を出すことで、無駄のない切削・
旋削パスを生成することが可能となり、積層から製品完成までのサイクルタイムを劇的に短縮することが可能となります。
「ADDITIVE MASTER LUNA」は、パウダーDED方式金属3Dプリンターメーカーである、
株式会社村谷機械製作所様の「ALPION」にも採用されております。